差額負担の医療を受けるとき(保険外併用療養費)
健康保険適用外の療養を受けるときでも、一定の条件を満たしていれば、その一部に健康保険が適用される場合があります。
保険外併用療養費 支給額
※昭和19年4月1日以前生まれの方は1割負担、9割支給となります。
支給を受けるには
健康保険で認められていない療養を受けると、すべてが健康保険の適用外となり、医療費を全額自己負担しなければなりません。しかし、医療技術の進歩や患者のニーズの多様化に対応するため、健康保険で認められていない療養を受けるときでも、その療養が一定の条件を満たした「評価療養」、「選定療養」または「患者申出療養」のいずれかに当てはまる場合は、保険対象となる部分については「保険外併用療養費」として健康保険が適用されます。
※「評価療養」、「選定療養」または「患者申出療養」以外の保険外療養を受ける場合は、全額自己負担となります。
評価療養
医学的な価値が定まっていない新しい治療法や新薬等、将来的に保険導入をするか評価される療養。
- 一定の要件を満たした医療機関で受ける先進医療(従来の高度先進医療を含む)
- 医薬品の治験にかかる診療
- 医療機器の治験にかかる診療
- 薬価基準収載前の承認医薬品の投与
- 保険適用前の承認医療機器の使用
- 薬価基準に収載されている医薬品の適応外使用
- 薬価基準に収載されている医療機器の適応外使用
選定療養
特別な療養環境等、患者が自ら希望して選ぶ療養で、保険導入を前提としない療養。
- 特別の療養環境(差額ベッド)の提供
- 予約診察
- 時間外診察
- 200床以上の病院に紹介状なしでかかる初診および再診
- 制限回数を超える医療行為
- 180日間を超える入院
- 前歯部に金合金などの材料を使用
- 金属床総義歯
- 小児う蝕治療後の継続管理
- 特定機能病院等に紹介状なしでかかる初診および再診
- 多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術
特別の療養環境(差額ベッド)
1人あたりの面積を広くとるなど、快適さを加味した病室です。次のような条件を満たす病室が対象になります。
- 病室の病床数が4床以下
- 病床の面積が1人あたり6.4平方メートル以上
- 病床ごとにプライバシーの確保を図るための設備を備えていること
- 患者個人用の収納設備や、机、いす、照明の設置などを備えている
※大部屋をベニヤ板で間仕切りをして個室部屋としたり、新築で日当たりがよいといった理由は、特別の療養環境に認められません。
利用には、患者が特別の療養環境室(差額ベッド)を希望し、同意書により確認することが必要です。
後発医薬品のある先発医薬品(長期収載品)
2024年10月より、ジェネリック医薬品がある先発医薬品(長期収載品)の処方を希望する場合、医薬品によっては、それらの薬価の差額の1/4相当が自己負担に加算されます。
詳しくはこちらをご参照ください。
患者申出療養
患者からの申し出を起点として、国内未承認医薬品等の使用や国内承認済みの医薬品等の適応外使用等を迅速に保険外併用療養として使用できる療養。
申出から実施までの流れ
患者がかかりつけ医等と相談のうえ、保険外の最先端医療技術と保険診療の併用を希望した場合、臨床研究中核病院または特定機能病院に申出を行います。患者は治療の有効性や安全性等の説明を受けたうえで、臨床研究中核病院等が作成した意見書を添えて、国に患者申出療養の申請を行います。
国による審査期間は、先進医療では6ヵ月程度かかっていましたが、患者申出療養では原則6週間(前例がある医療については原則2週間)に短縮されます。
審査が認められると、申出を受けた臨床研究中核病院等で治療が行われますが、審査結果によっては、患者の身近な医療機関での実施が可能となる場合もあります。
支給を受ける手続き
必要ありません。
事前に医療機関から療養内容や自己負担額の説明を受け、同意してください。